自動車モデリングとの格闘⑧-なぞのリトポ技術-
チュートリアル「Master Car Creation in Blender」をやった記録。
現在チャプター49:Rim(順不同)
※リム作成はリトポではないが(ボックス&エッジモデリング)、リトポに近いと私は考えているため、この記事ではリトポと同様として扱う。
抜群の親切さを誇るこのチュートリアルだが、リムのポリゴンの貼り方の考え方については一切解説されてない。ただ手順のみを解説しているだけである(他のチャプターでもしかしたら解説してるのかもしれないが)。
成果物としては、曲面に最も沿った形・大きさの板ポリを分割して配置しているだけ。非常にシンプルである(画像を拡大してご参照)。
※上記の図は2Dのみだが、もちろん三次元の実物の形状に沿うようにイメージして板ポリを配置する。
しかし実際にやってみると、これが一筋縄ではいかないのだ。
かならず制約条件やルール、方法論みたいなものがあるはずなのだが、これまで自分が調べた限り、明確なものは知らない。きっとあるはずなのだが。
この必要な情報がない状態はなんだか気持ちが悪いが、自分でなんとなく考えてみる。
以下が自分の予想。
1. 形状をエッジで囲うとき、頂点の数は形状の曲率(=曲がり具合)で決定される。縦横の頂点の数より、板ポリの形状が自動的に決定される。
曲がりが激しいところではそれに自然に沿うために頂点をいっぱい配置しなければならないし、直線に近いならば頂点の数は少なくなる。
2. (比較的単純な形状の工業製品のパーツは)最も外側からポリゴンを配置していく。その際の分割数は外側の形状および内側の形状の曲率を勘案して決定される。
とりあえず外側に沿うようにつくって、内側になんか頂点の数をつかいそうな形状の穴とかがあれば、それに使いそうな数を外側のエッジを作る時にあらかじめ含めておく?みたいな感じ。
(どうでもいいが、「比較的〇〇」って胡散臭い言葉だ。いかにも理性的、客観的という感じを匂わせているが、実際に根拠を突いてみると怪しいものばかりだろうと思う。最近知ったがそもそも「客観的」という概念が嘘なのだ。インチキなのだ。だからそれをもとにしている「比較的〇〇」という見方も真実たりえないか、もしくは無意味なのだ)。
3.最小のポリゴン数になるようにする。
細かいと人間には扱いきれなくなる。
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英語の資料も含めてネットを漁ってみたが、よさそうなものは見つけられなかった。
もっと簡単なモデルで単純で明確なルールに絞って紹介してくれるものがあれば理解しやすいのだが。
そこそこ複雑だが、そこそこ親切な解説動画をみつけた。
Use My EASY Method For Retopology In Blender ! - YouTube
これを見ると、前述の予想2番に「外側を作る時に内側の穴の必要エッジ数をあらかじめ含めておく」と書いたが、実際はパーツ毎(島ごと)に分けてつくっていって、内側でもし外側よりも多くのエッジ数が必要になったら都度外側も分割していく感じだ。
島ごとに分割して作っていって、島同士は辻褄があうようになんとか接続するという感じ。
今回の内容に全く関係がないが、調査の過程でアニメーションのためにリトポが必要な理由がわかった。それは、例えば人体モデルで腕を動かしたとき肩回りが取りうるすべての形状で破綻が出ないメッシュ(の構造)を用意する必要があるのだ。そのためアニメーション用にリトポが必要なのだ。
ここまで調べて、リトポはモデリングの核になるような技術だと思った。自動リトポがあるので、別にやらなくてもいい技術なのかと思ったりもしたが、ある意味これが罠だった。
(手動)リトポはモデリングの基本中の基本になる技術のように思う(なんか偉そうな書き方になってしまうが、本当に強くそう思う)。実際はやらなくてもいいが、しようと思えばできる知識がないと、モデリングもできないことになると私は思う。
ボディやエンブレム、マフラーなどのモデリングでこの技術がこのチュートリアルで一貫して基礎となっている。
つまりなんのことはなく、エア・リトポが(ポリゴン)モデリングだったのである。なぜだれもこれを教えてくれなかったのだろう。