気持ち悪さの正体

少し前まで持っている物を全部捨ててしまいたい、借りている家もなにもかも引き払ってしまいたいという衝動に駆られることがあった。なにか理由はわからないが、気持ち悪いのである。

 

また自分を表現しようとすると、ときどき暗い、光のない、苦痛にあえぐような乾いた目つきに行き当たることがある。これがはっきりと意識にのぼってくることはないが、心の奥底で異常を知らせるアラートが投げられ、小さな傷になっていたと思う。なんとも言えない気持ち悪さを無意識下で感じていたのだと思う。

 

いまとなってははっきりこの理由がわかる。

物や賃貸住宅は搾取のための道具なのである(製造者や大家がというよりもっと大きな枠組みでである)。

暗い目つきはエナバンが獲物を狙う目なのである。

 

正体がわかってしまえば下らない。