誰も教えてくれない禁忌

あまり教えてもらえないけど、絶対にやってはいけないことがある。

それは嘘をつくことと義理を欠くことである(※小さいころには嘘をつくなと教えられるが、大人になるとそれを忘れる。また自分の言動のうち何が嘘かを判別するのに相応の知性が必要になる)。

あらゆる嘘は犯罪である。「噓も方便」はそれこそ嘘である(エピメニデスのパラドックスのよう)。

人工の法によって定義される犯罪ではなく、そんなものとは別次元の本質的犯罪なのである。

本質的犯罪を裁く者はいないが、ほぼ確実に自分に返ってくる呪いのような行為である。嘘をつくつもりはなくても悪意なくついてしまう状況は日常に多々あるので注意しなければならない。

 

義理は義理である。心で感じる道理である。義理は明文化できない。自分が相手の立場でそれをされてもOKか嫌かで判断するしかない。いかんともしがたいのは義理の感覚は実際の善意や悪意とは無関係で、知識の問題なのである。だから義理を守る悪人も、義理を欠く善人もいる。

 

実質的に嘘をつきながら、実質的に義理を欠きながら、その呪いを回避する方法があって悪人はそれをしている。我々はあえてそれをする必要がないので、べつにそんな方法知らなくてよい。