球体の光の反射のしかた③

前回記事で陰の説明について、考えなおしたことがあるので記載しておく。

 

まず陰影の原理を確認しておきたい。

光源は2つの働きを物体にする。

①その物のベースの明るさを決める。

明るさ/陰/影を作る

②鏡面反射を起こさせる

物体中の下図の位置関係にある面において鏡面反射を起こさせる。これがハイライトや照り返しになる(詳しくは前回記事をご参照。視点、対象物、光源のなす角を二分する法線を持つ面が鏡面反射を起こす)。

 

前回、陰の照り返しはこの鏡面反射によるものと考えたが、原理的にはいつでも上記の①、②が起こり、周辺環境による反射光も光源とみなせるため、照り返しも①、②の両方の結果であると考えるべきであると思う。

 

ただし上記は参考文献を私が見つけられなかったために自分で行っている思考実験であり、照り返しの明るさが①、②それぞれがどのくらいの割合で混じったものなのかはわからないし、そもそもこのような見方が最適なのかも知らない。

 

しかしこのようなことを考えていると3DCGのレイトレーシングは必至の技術のように思える。レイトレーシングはなにか最新技術の結晶みたいなイメージがあるが、光のパスのことをあれこれ思い浮かべれば、かならず計算機で再現したくなる。だからレイトレーシング技術が存在するのは当然の帰結で、仮に何度人類が歴史をやり直しても、国々で情報が断絶していてもかならずレイトレーシングは出てくるように思う。そうであるならばCGというのは余剰のものというより、思ったよりも必然的な技術なのかもしれない。